自然エネルギー利用型燃料電池システム導入のメリット

自然エネルギー利用燃料電池システム"Earth Saver"


図1 自然エネルギー利用燃料電池システム
(RFCS: Regenerative Fuel Cell System)

近年、住宅の屋根には太陽光発電装置が、風境の良い地域には風力発電所が、落差のある用水路にはマイクロ水力発電が、多々見られるようになりました。これらの自然エネルギーによる発電は無尽蔵ですが、気象条件によって左右されるため、系統連携して電源の安定化を図っているのが現状です。
しかし、この不安定な自然エネルギーにエネルギー貯蔵という概念を付け加えることにより、独立した電源システムとして使用することが可能であり、新しい付加価値を見出すことができます。
一般にエネルギー貯蔵には蓄電池やニッカド電池などの2次電池が使用されていますが、いずれも能力的に自然エネルギーと組み合わせるには最適とはいえません。例えば鉛蓄電池であれば信頼性・経済性が高いものの自己放電や過充電による障害があり、ニッカド電池であれば自己放電が少ないもののメモリー効果があるなど、自然エネルギーの蓄エネルギーに必要な大容量性と長期保存性を兼ね備えていません。
しかし、「水素貯蔵」は貯蔵方式によって異なりますが、一般に大容量性と長期保存性を有しています。更に、「水素」という形態でエネルギー貯蔵することにより「エネルギー貯蔵の多様性」と「エネルギー利用の多様性」という新たなメリットがあります。

①従来の蓄電 OUTPUTは電気のみ

②水素貯蔵 最終エネルギー利用方法に適した水素貯蔵が選択可能。
用途に応じた発電・熱利用が可能。(表1,2参照)

表1 水素貯蔵方法の多様性

方法定置利用遠隔輸送条件長所短所
圧縮水素ガス300K 35MPa(ガス)液化水素と比較して貯蔵エネルギー小さい高圧・重い容器
低エネルギー密度
液化水素×20K 0.1MPa(液体)体積あたりのエネルギー密度高い液化に消費エネルギー大
ボイルオフ、フラッシュ
水素吸蔵合金×373K 1MPa(固体)高い安全性
常温・常圧で使用可能
重い・高価
微粉末化被毒
有機ハイドライド(液体)水素転換率大
輸送効率大
脱水素化にエネルギーが必要

表2 水素利用方法

方法長所短所
燃料電池排気ガスなし
生成物は水のみ
高価・短寿命
使用環境が限られる
水素エンジン低環境負荷
高出力が可能
安全性の確保